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ホーム > 熱設計トレーニング > 【基礎編】2.1 自然対流熱伝達(2)垂直平板(2)- 理論式

基礎編2. 対流2.1 自然対流熱伝達(2)垂直平板(2)

理論式

垂直平板が1枚の場合

一般に自然対流熱伝達を考える場合、以下の点を考慮する必要があります。

  • 自然対流により生じる空気の速度が大きいほど、対流による放熱効果は大きくなります。
  • 空気の速度は暖まった空気に生じる浮力と物体表面での摩擦による圧力損失のバランスで決まります。

その結果、垂直平板が1枚の場合の境界層の形や温度・速度分布は下図のようになります。温度分布は平板上で最も高く、境界層の界面で周囲空気と同じ温度になります。速度は上向きであり、平板上および境界層界面で 0m/sとなり、境界層の中間部で最大になります。

垂直平板が2枚の場合

2平板間の自然対流は、1枚の平板上の自然対流に比べ以下の変化が生じます。

  • 2平板の間隙 S が十分広い場合は1枚の平板の自然対流伝熱特性と同じになります。
  • 2平板の間隙 S が狭くなるに従い、平板上に生じる温度・速度境界層が重なり合うため、
    平板間の速度や温度分布が変化します(下図参照)。
  • 2平板間の間隙が狭い場合、速度分布は放物線状になります。
    これはファンなどを用いて微小な速度で空気を強制的に流しているときと同じ速度分布となります。
  • 平板間の空気は両側の平板から摩擦を受けるため、風量は1枚板の場合よりも減少し、
    空気温度は上昇します。

以上の理由により、2平板間の温度は平板1枚の場合よりも高くなります。その度合は、平板の間隙が狭いほど大きくなります。

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